はじめに
通信機器業界歴20年の井上豪です。
現在、通信機器や街頭ビジョンなどを取り扱う九州情報機器コンサルで
代表をしております。
企業の様々なお困りごとを解決するために、今回は「複合機」に焦点を絞り、「損」をしない導入方法をお伝えします。
会社にある複合機。コピーをとったりFAXの送受信機として利用したり、パソコンからの印刷をしたりと、会社では必要不可欠な通信機器です。(ちなみに・・・FAXやコピー、プリントアウト出来たりと、機能が複合している機器だから「複合機」と呼びます。)
複合機の種類を決める際には、メーカーごとの機種の違いはもちろん、コピーの速度や、利用する社員数、パソコンの利用台数、またネットワーク環境を把握したうえで選択します。
やはり専門の人でないと・・・・
どの機種にすればいいか?
複合機をどのように利用すれば効率的で経済的か?
ネットワーク環境をどのように利用すればいいのか??
などわからないことだらけです。
損をしない複合機導入のために、複合機の機能を把握したうえで、入替のタイミングを考えてみましょう。
複合機のコピー機能について
業務を行う上で、コピーを取る作業は必要不可欠です。
では、どういった機種を利用すれば効率が上がるのかをご紹介します。
コピー作業を行う上でもっとも大切なものは1枚当たりのコピー速度とファーストコピーの時間です。
ファーストコピーの時間とは、使用していない状態から複合機が立ち上がり、最初のコピーを開始するまでの時間のことを言います。私たちが、複合機を販売する上でも、コピーする速度やファーストコピーが遅いと、お客様からのクレームになりかねないので、特に注意する点です。
では、コピー速度の解説をしていきます。
コピー速度とは1分間に何枚コピーが可能かということです。
各メーカーで利用者に応じた機種をご用意しています。
現在利用している複合機が、1分間に何枚コピーできるかは型番等で確認が出来ます。
シャープの「BP60C26」という機種であれば、最後の「26」赤で記載している部分がコピー速度になり、1分間に26枚のコピーが可能です。
京セラの「TASKalfa2554Ci」であれば、機種名TASKalfaの次に来る「25」の部分がコピー速度になり1分間に25枚のコピーが可能です。
現在のコピーに時間がかかると思う方は、型番等を確認し、1分間により多くコピーが出来る機種へ変更することをお勧めします。
次にファーストコピーについてです。
ファーストコピーとは、複合機の動作スタートから1枚目のコピー開始が出来るまでの時間のことです。
仕事が忙しい時、急いでコピーをとりたいのに、なかなかスタートせず待機してイライラ・・・なんて話はよく聞きます。機種によっては1分以上かかる機種もあります。
シャープの最新機種になると、フルカラー7.6秒・モノクロ6.5秒でコピー開始します。
社員1名がコピーを行う際に50秒も時間短縮できれば100名の会社であれば5000秒/83分の作業時間の短縮になります。
ファーストコピー速度は、作業効率化を行う上で非常に大切な点です。導入の際はファーストコピー速度を確認しましょう。
複合機のFAX機能について
複合機にはFAX機能がついていて、一度は会社間でFAXのやり取りをしたことがあると思います。
最近では、FAXを紙で印刷するのではなく、受信されたFAX文章をパソコン内で保存・確認し、必要な内容だけを紙に印刷するといった使用方法があります。
送受信したFAXはデータ化し、保存することで、外出先からお使いの携帯電話へメールで転送したり、出先からFAXの内容を確認することが可能になりました。
FAXをデータ化すると、紙へ印刷する作業や、事務所に戻らないと確認できなかった書類が、外出先からも確認出来るようになり、リモートワークも可能になります。
使い方に関して、わかりやすい漫画がありましたのでご紹介します。
複合機のスキャナー機能について
複合機にはスキャナー機能がついていている機種があります。
スキャナーとは紙文章を、データ化し、パソコンなどに取り込む機能です。
スキャナー機能を使い、どんな作業効率化出来るかご紹介します。
① 名刺の管理
社会人になると、取引会社や営業先での名刺交換は当たり前。
では、その後交換を行った名刺をどう管理するのか。交換した名刺をそのままファイリングするか、携帯のアプリ等、写真を撮り携帯で管理したりと方法は様々です。
交換した名刺も会社の大切な財産です。
複合機でスキャナーを活用し、名刺の情報をデータ化すると、使用端末での検索や、他の社員と名刺情報の共有が出来ます。
② 領収書の管理
領収書は、紙でもらった領収書をそのままファイリングし管理するといったやり方が一般的ですが、複合機のスキャナー機能を使い、データでの管理・保存が行えるようになります。データにした日時を印字する設定があるので、電子帳簿保存法にも活用できる機能の1つです。
領収書をデータで管理するため、紙での保管場所が必要なくなります。
詳しくは下の漫画にてご紹介します。
複合機の導入方法とコスト比較について
購入した場合
カラー複合機1台 1,000,000円(メーカーよって違いはあります。)
給紙カセット3段1台 300,000円
合計 1,300,000円 + 設置費約 50,000円
=1,350,000円(税抜き)
設備投資するには高額な商材になりますが、現金購入ではなく、リース契約といった方法もあります。
リース契約の場合(リース期間6年)
導入金額1,350,000円にリース料率1.57%であれば月額リース料金が出ます。
1,350,000円×1.57%=21,100円(税抜)
月額リース料21,100円(税抜)で複合機の導入が可能になります。
複合機を導入する時に、消耗品としてトナー(印刷用インク)が必要です。
カラー複合機の場合は4色、モノクロ複合機の場合は黒のみ1色のトナーが必要になります。
各メーカーで違いはありますが、主に2種類の使用方法があります。
・トナー購入方式(都度トナーを購入して使用する方法)
・カウント請求方式(最低基本料金+使用した枚数×1枚単価=月額料金として支払う方法)
リース契約を選択した場合、見積書を見るポイントをお伝えします。
2つのパターンで比較してみましょう。見るポイントは機種代とカウント料金とのバランスです。
さて、1か月のコストに違いが出るのでしょうか。
わかりやすいように、使用枚数はカラー・モノクロともに1カ月1,000枚で計算します。
現状
複合機リース料金 20,000円(税抜)
カウント料金 カラー15円/1枚
モノクロ3円/1枚
提案①
機器代金 1,000,000円(税抜)
リース期間 6年 15,700円(税抜)
カウント料金 カラー15円/1枚(税抜)
モノクロ3円/1枚(税抜)
提案②
機器代金 1,100,000円(税抜)
リース期間 6年 17,300円(税抜)
カウント料金 カラー10円/1枚 (税抜)
モノクロ1円/1枚 (税抜)
わかりやすいように、一覧表にしてみます。
現 状 | 提案① | 提案② | |
機器代(税抜) | ― | 1,000,000円 | 1,100,000円 |
リース料(6年) 料率 1.57% | 20,000円 | 15,750円 | 17,300円 |
カラー単価 | 15円 | 15円 | 10円 |
カラーカウント料(税抜) 1,000枚利用の場合 | 15,000円 | 15,000円 | 10,000円 |
モノクロ単価 | 3円 | 3円 | 1円 |
モノクロカウント料(税抜) 1,000枚利用の場合 | 3,000円 | 3,000円 | 1,000円 |
月額利用料(税抜) | 38,000円 | 33,750 | 28,300 |
提案①と提案②を比較していきましょう。
機器代金だけを見てみると・・・①<②
提案②の方が100,000円高く提案されています。
この時、提案①が安い!と①を選ぼうとする方も多いと思いますが、ちょっと待ってください!
複合機を入替える際は、トータルで考えることが大切なんです!
トータルで考えるとは、機器のリース料金と月々のランニングコストを合わせて考えるということです。
上の表の一番下の欄、月額利用料を見てください。
提案①の場合、リース月額とカウント料金の合計は33,750円です。
提案②の場合、リース月額とカウント料金の合計は28,300円です。
なぜ提案②の方が安くなるのでしょう?
これはカウント料金、つまり、1枚当たりの印刷単価の違いから月額利用料に差が出ます。
カラー単価・モノクロ単価を確認すると、金額が違っていますね!
提案①と提案②を比較すると、月額のリース料が高くても、カウント料金が低い場合、月額利用料は安くなります。
結果、トータルで判断すると、月額利用料は提案①よりも提案②の方が5,450円も安いのです!
複合機入替の際、料金の比較は
リース月額料金+毎月のランニングコストの合計で考えよう!
まとめ
複合機の導入は、自社に合った使用用途で行わなければ無駄な経費を払うことになります。現金で買うのか、リース契約にするのか、また、トナー方式かカウント方式かでも、毎月コストに大きな差が出てくることになります。参考にしてみてください。
弊社は契約内容のコンサルからネットワークの構築、
リース契約・設置工事・保守メンテナンスまで一貫して行っています。
コスト削減や利用中の複合機について悩みのある方は、いつでもお問い合わせください。あなたに最適なご提案をいたします。
九州情報機器コンサル株式会社
お問い合わせ先 0985-72-7722
担当 井上
複合機以外の、機器導入や入替について気になる方はこちらの記事をご覧ください。
パソコンやサーバー、UTMなどの機器について書いています。
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