街頭ビジョンに流れている映像を見る事があっても、その映像がどうやって放送されているのか知る事はありませんよね。
実際に使っている機器や、設定の手順など、九州情報機器コンサル株式会社で使用しているものをご紹介します。
今回は、宮崎駅前ビジョンの内部をご紹介します。どんな機器がどのような役割を担っているのか、皆さんもぜひ覗いてみてください。
街頭ビジョンに映像・音声を流すには、大きく3つの役割に分かれます。
それぞれの仕組みにごとに、説明します。
通信・設定
パソコン
様々な設定を行うためのパソコンが必要です。
次に説明する、サイネージプレーヤーへ送信する、映像のデータや放送するためのプログラムを作成するために使います。
サイネージプレーヤーに送信するプログラムデータは、専用のソフトを使って作成し、プログラムデータ内には映像・音声・放送スケジュールが含まれます。
サイネージプレーヤー
パソコンで作成された、映像を流すためのプログラムを受信します。
また、受信したプログラムをLEDコントローラーへ送信するための装置です。
LEDビジョンコントローラー
サイネージプレーヤーから送信されたプログラムを受信し、LEDビジョンへ送信します。
ルータ・通信回線
プログラムを毎度、現地で作成・送信する場合には、通信回線は必要ありませんが、街頭ビジョンを複数運営していたり、距離を考えると現実的ではありません。遠隔操作をするために、通信回線を用い、本社や、福岡事務所のパソコンと現地パソコンを接続しています。また、NHKのニュースや天気のデータを受信するためにも必要となります。
また、遠隔操作をするためのソフトも必要です。弊社では「Any Desk」というソフトを使用しています。
映像
LEDビジョンコントローラー
サイネージプレーヤーから送信されたプログラムを受信し、LEDビジョンへ送信します。
調光センサーによる明るさの調整データも、LEDビジョンコントローラーを通してLEDビジョンへ送信されます。
調光センサー
LEDビジョンの明るさを調整する装置です。
調光センサーを使用した自動調光と時間帯を指定した自動調光があります。
屋外に設置する街頭ビジョンの場合、天気や時間帯で明るさが左右されます。 調光センサーで自動調光を行うことによって、昼夜・天候問わず、見やすい明るさで映像を流すことが出来ます。
LEDビジョン
映像が流れる装置です。皆さんが目にしているのはこの装置になります。
大きな街頭ビジョンは、パネル状の装置を、複数枚組み合わせて作られており、宮崎駅前ビジョンの大きさは、縦4m横6mです。
また、このパネルにはLEDチップがたくさん埋め込まれており、LEDチップの間隔をピッチと呼びます。このピッチサイズが小さいほどLEDが密になり、映像を細かく鮮明に映し出すことが出来ます。宮崎駅前ビジョンは6ピッチ、近くても遠くても美しく見えるサイズです。
音声
ミキサー
入力された複数の音声を適切なバランスにまとめ、聞く人にとって聞きやすい音質に調整する機材です。左右2台のスピーカーで音を鳴らす際の、出力の割合を調整します。
アンプ
アンプのメインとなる役割は増幅です。これは、ミキサーから出力された音の電気信号を増幅する役割になります。その他にも大事な仕事をしています。どの音源を鳴らすのかを選ぶ入力切り替え(インプットセレクター)や音質の調整、さらに音量調整などを行っています。
スピーカー
アンプで増幅された音を、実際に外部に向けて発生させる装置です。
宮崎駅前ビジョンでは、街頭ビジョンの左右に設置されており、外部からも確認することができます。通常音の伝わり方は、遠くになるほど小さくなりますが、このスピーカーは一定の距離までは遠くも近くも同じように聞こえる、なんとも不思議な機能を備えています。
収納
説明した各機材は、写真のように収納ラックの中に収まっています。
細かい音量調整など、実際に現地で確認しながらでしか行えない設定はここで行います。
収納ラックには鍵をかけることができます。
最後に
このように、様々な装置の組み合わせで、街頭ビジョンの放送を行っています。
街頭ビジョン放送を見かけましたら、この記事を思い出して、少しでも興味をもって頂けたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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