2023年8月に行ったインターンシップの中で、「ペット防災」に関する企画が立案されました。
インターンシップの中では、5日間と限られた期間ということもあり、その後の企画実行は、弊社で立案者の思いを引き継いで行うのですが、この「ペット防災」は立案者本人の強い思い入れがあること、また、立案者自身の今後の活動の為にも、一緒に進めたほうが良い企画になるのではと思い、立案者本人と相談し、一緒に実行することになりました。
インターンシップの様子はこちらの記事をご覧ください。
この企画を立てた理由(インターンシップ生)
「ペットが大好きで、ペットを守りたい!」という気持ちから、この企画を考えました。
自分のほかにも、ペットを飼っている方で、避難方法や避難場所などの情報を知りたい方が多いのでは?と思い、以前、自分でアンケートを行った結果をもとに、この企画を立案しました。
アンケートの回答には、しつけに関することや、いざという時の避難方法など、具体的な情報報が少ない、どうやって知ればいいのかわからないと感じている方が多かったです。
実際にペット防災に関する活動を行っている「ペット災害危機管理士会」の方と連絡を取り、防災の資格を取得しました。まだまだ有資格者が少なく、地域によって活動の頻度も違うので、これから、大学でのサークル設立や、地域での啓発活動など、ペット防災の認知を広げていくためにも、街頭ビジョンでの動画放映は、大きな一歩になると考え立案しました。
動画紹介
災害対策のためのリンク
ペットの飼育状況、避難時に使用可能な移動手段など、それぞれの状況に合わせた災害対策が必要となります。
避難場所の確認・避難経路の確認・預け先の検討・備蓄の準備など、事前に情報収集を行っておくことで、いざという時の行動が変わってきます。
ぜひ、下の表をご覧いただき、ご自身にあった災害対策を行って下さい。
サイト名 | 掲載内容 | URL |
---|---|---|
人とペットの災害対策ガイドライン | 日頃の躾や備蓄の内容、災害時の対応まで、対策全般を掲載 | https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3009a.html |
宮崎市防災ポータルサイト | 宮崎市の「防災・災害」に関する情報を一元化・整理し、関連リンクなどをまとめたサイト | https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/bousai/ |
ペット受け入れ可能避難場所(宮崎市内) | 災害発生時にペット受入れが可能な避難場所 | https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/life/fire_department/shelter_info/294189.html |
ハザードマップポータルサイト | 身の回りの災害リスクを調べられる検索サイト | https://disaportal.gsi.go.jp/ |
避難所状況可視化システム | 避難場所の開設状況・混雑状況がわかるサイト | https://vacan.com/area/miyazaki-city-evacuation/evacuation-center/11 |
特定非営利法人ペット災害危機管理士会 | ペット防災に関する活動を行っている団体(取材協力) | https://petsaigai.com/ |
MMU-宮崎市ペット防災サークル | 宮崎公立大学内のサークル (企画立案者所属) | https://www.instagram.com/pettobousai/ |
検索キーワードの最後に自治体名などを入力すると、ご自身にあった災害対策が検索が出来ます。検索ボタンを押した後に表示されるページで検索してみてください。
例)ペット防災 災害対策 筑紫野市
ペット防災 災害対策 大型犬
ペット防災 災害対策 ペットフード備蓄 など
企画実行スケジュール
- 1回目
2023.11.1動画掲載内容検討・やることリスト作成放送時期:2024年2月頃
ターゲット:ペット飼育者
周知したい事:災害時の対策・日頃やっておくこと(しつけや備蓄の準備など)
協力者:ペット災害危機管理士会へ協力依頼を行う
質問内容をまとめて、担当者へ連絡する
<質問内容>
・災害時の預け先
・しつけは何をすればいいのか
・自宅で災害が起こった場合、ペットに危険が及ばない部屋のレイアウト
・多頭飼いの場合の避難の仕方
・家に人がいない時に災害が起きたらどうしたらいいのか
・備蓄は何を、どれくらい準備したらいいのか
やることリスト:
・間違った情報を伝えないために、専門家へ協力依頼を行う
・動画に掲載する内容を決定する
・動画用の素材を集める
・啓発活動のためのブログやチラシなどを作成する - 2回目
2023.11.8協力者へ連絡、上記質問事項への回答依頼を行う
ペット災害危機管理士会の方へ協力依頼をし、質問への回答をもらった。以下、回答内容です。
・預け先について
地震津波の場合・災害時の預け先親戚の家、安心して預けることのできるご友人の家、ペットホテル、動物病院など預け先が被災している場合もありますので万が一に備えていくつかの預け先を探しておきましょう。
・普段の躾は何をすれば良いのか(災害が起こった時のために)
クレートに入ることができるか? そこで生活ができるのか?
無駄吠えをさせない。
おいで、すわれ、マテなどのしつけができていること。
普段吠えない子でも、災害の時はパニックになり吠えてしまうこともあるので、落ち着かせる方法を身につけておきましょう。
・部屋のレイアウト(ペットに危険が及ばないような)
家具を倒れないようにしっかりと固定し、落下物があるような場所、窓や食器棚、タンスや照明器具の下などにケージなどをおかないようにする。
・多頭飼いしているペットの避難方法
津波の時に車で逃げるのは危険ですが、車で避難した方が良い場合もありますので、日頃から自治体の避難訓練に参加し、車で避難することを伝えておくことも必要です。
頭数にも寄りますが、カートに乗せて避難場所まで一緒に避難する。
階段の場合は、一緒に運んでもらうようお願いする。
たくさんのペットを飼われてるいる方は、津波の心配がない場所へ引っ越すというのも選択のひとつ。
・家にいなかった時は、ペットはどうしたら良いのか
ご近所の方とは顔見知りでしょうか?普段からご近所の方ともコミュニケーションをとり、不在の場合は避難所まで避難させてもらえないかお願いしておく。(周囲が安全で、お願いする方に余裕がある場合)
自治体の避難訓練に日頃から参加し、万が一の時に連携がとれるようにしておきましょう。
津波の時は近くの避難場所にペットを連れて安全に避難してください。ペット同行避難場所に関わらず命優先で、とにかく助かるために避難します。その避難した場所にアレルギーの方や、ペットが苦手な方がいらした時は配慮しましょう。 ある程度事前にわかる風水災害の時はまた別の対策になります。 - 3回目
2023.11.10頂いた返答の中から、動画に掲載する内容を検討する<動画内容について>
Q&Aで3問程度、動画は30秒で作成する
掲載するQ&Aは立案者が所属する大学のサークル内で検討する
サークルメンバーに動画用の素材(画像や動画)の提供依頼をする
犬・猫以外にも飼育されているペットはいるので、ペットの種類は出来るだけ多く載せたい
<別の資料について(チラシ・ブログ)>
サークル活動の一環として、配布できる紙の資料やブログを作成したい
作成した動画QRコードを掲載したり、SNSを使った情報拡散の導線づくりを考える。また、資料の配布先についても宮崎市内のペットショップなど置いてもらえるところがないか検討する。 - 4回目
2023.12.6動画掲載内容を確認する・ブログに記載する内容を検討する<動画掲載内容の検討>
多頭飼いの場合の避難方法・宮崎市のペット可の避難場所を掲載する
・宮崎市の避難場所を調べる
・住んでいる自治体で避難訓練が開催されているか調べる
<ブログ掲載内容の検討>
津波時の避難方法に関して記載をする
・地震が多く発生している震源地から津波到達までの時間や移動できる距離の目安を調べる
・遠くへ行くより高い所に避難も有効
(津波避難指定ビル、避難できる高台を調べる)
・環境省の資料も盛り込む
・ハザードマップと避難所の地図を掲載し、自分の住んでいる場所で起こりうる災害、避難方法を一度考えてもらえるように促す。
飼育状況はそれぞれ違うので、自分で情報収集が出来るように、掲載リンクなどを提供する。 - 5回目
2024.1.10動画作成経過確認・ブログ作成経過確認<動画作成経過>
作成途中の動画を確認した。掲載している文字の大きさを読みやすいよう、大きさや色を変更、どのカットを見てもペットに関する動画だとわかるように画像や表題を常時表示しておく。
サークル内で動画を見てもらいブラッシュアップをする。
<ブログ作成経過>
防災について考えるときに参考となるような内容を掲載したい。
避難場所や開設時の混雑状況など、情報が掲載されているサイトのURLを記載し、欲しい情報を手元で見られるようにしたい。 - 6回目
2024.1.17動画確認・ブログ確認<動画確認>
ターゲット:スマホが使える若い年代、動画のQRコードを読み取る作業を行いやすい年代に設定した。
周知内容:手元に情報が届くことに重きを置きたいので、QRコードは、最後のカットだけでなく、放送時間を通して表示されるように変更する。QRコードの中には、5つリンクを入れられるので、1度の読み取りでより多くの情報が届くようにした。
サークル内で見てもらい変更箇所がないか検討する。
<ブログ確認>
飼育状況に応じて、必要な情報も変わってくるので、混乱を避けるため行動を限定する書き方は行わないようにした。情報が記載されているページ、活動している団体などを掲載することで、必要な情報にたどり着きやすいようなブログにする。 - 7回目
2024.1.24動画完成・ブログ作成経過確認<動画>
動画完成、2024年2月1日から2月29日まで、宮崎駅前ビジョン・宮崎県病院前ビジョンで放送する。
<ブログ>
2024年2月7日完成。社内・立案者確認後、公開予定 - 2024.2.1動画放送開始
放送期間:2024年2月1日~2024年2月29日
放送場所:宮崎駅前ビジョン・宮崎県病院前ビジョン - 2024.2.9ブログ公開
動画解説
<しつけが出来ていますか?>
日頃と違う状況や場所では、不安になってしまうペットも少なくありません。躾を行い、飼い主との信頼関係を築いておくことで、避難場所でもストレスが少なく過ごすことが出来るでしょう。
<クレートで長時間過ごせますか?>
ペット受入れ可能な避難場所でも、ペットはクレートに入り、人がいる場所とは別の場所で過ごす場合が多いようです。普段からクレートで長時間過ごせるように慣れておきましょう。他の避難者やペットとの、お互いの安全を保つためにも必要なしつけです。
<避難場所・避難経路を確認していますか?>
災害が起きたときに避難経路や場所がわからないと、避難が遅れることもあります。事前に避難経路の確認や、避難場所以外にもペットを預けられる場所(親戚・ペットホテルなど)を複数探しておくと安心です。
お住いの自治体で行われる避難訓練にも積極的に参加してみましょう。
<多頭飼いの場合の避難方法>
複数のペット、種別が違うペットを飼育している場合、一人での避難が困難な場合があります。
全頭一緒に載せられるカートや車での移動、避難時に手伝ってもらえる方が近所にいないかなど、事前に依頼できると安心です。状況に応じ、安全と命を第一に考えて行動しましょう。
この企画を実行してみて
企画を行ってみて、実現に繋げられたことをとても嬉しく思っています。
宮崎市のペット防災対策不足を感じていたことから行った企画ですが、実際に対策を前進させることの難しさを知りました。
また、1人で企画を初めましたが、いつのまにか多くの人が自分の企画に携わり、ネットワークが広がったことも嬉しく思いますし、感謝しています。周囲の方々が協力して下さったことで、ペット防災の発展に、少しですが前進できたのではないかと考えています。
宮崎市ペット防災サークルの活動としては、防災講演や避難訓練を通して啓発活動を行っていきます。今後も、ペット防災発展のために尽力していく所存です。
金澤
インターンシップ以前から、ペット防災に関する活動を行っていて、自ら必要だと思ったことを行動に起こせる、バイタリティ溢れる学生さんだなと思いました。
プレゼンの中には、事前に行ったアンケート結果が盛り込まれていたり、大学内でペット防災に関するサークルを立ち上げたりと、その行動力に驚かされました。
「ペット防災」という言葉さえ知りませんでしたが、地震や津波の危険がある宮崎では特に、防災に関する意識を持っておく必要があるなと感じました。完成した映像は、今回の放送だけでなく、有事の際の啓発としても放送していきたいと考えています。
情報収集の一助になればと思い、この記事の中でも災害対策に対するリンクを記載しています。動画やブログをきっかけに、それぞれの状況に合った災害対策を、ぜひ考えていただきたいと思います。
宮崎市ペット防災サークルの活動でも様々な情報発信を続けていくそうです。
是非Instagramをフォローしてくださいね!
開催予定のインターンシップ(2024年2月1日現在)
<オープンカンパニー>
開催日:2024年2月14日(水)11:00~
場所:宮崎本社(宮崎市清武町今泉甲3711-11)
申込:エントリーフォーム
<インターンシップ>
開催日:2024年3月11日(月)~2024年3月15日(金)
場所:宮崎本社(宮崎市清武町今泉甲3711-11)
申込:エントリーフォームまたは、みやざきインターンシップナビ
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